特定の角度で、切れた。降りた瞬間、握った手が開かなかった。筋肉痛だと言い聞かせて、翌日も行った。3日目の朝、シャツを着るときに肩の前が止まった。
痛いのに続けるのは根性じゃない。組織の種類が違う。僕はそれを、公園で学んだ。教科書じゃなく、熱い前腕と、狭い可動域で。
遅れてくるほうは、筋肉痛側だと思う。24〜48時間あと。押すと広い面が鈍い。動いているうちに少し楽になることがある。関節の端まで動かしても「切れる」感じがない。このときは強度を下げて同じパターンを短くやるか、押すと引くを入れ替える。完全休養が必須とは限らない。だるい胸と背中なら、斜め懸垂と床押し。限界セットはしない。
止める側は、性格が違う。動作の特定角度で鋭い。握ると指先に走る。腫れている。熱い。翌朝、可動域が昨日より明らかに狭い。痛みより先に力が抜ける。肘の外側が、握るだけで痛い日は、バーに触らない。1〜2日。肩の前方にピンポイントがある日は、可動域だけ。ぶら下がり過多はしない。前腕が熱いだけならハングを短くして、フル懸垂はなし。
迷ったら一段落とす。落とす先がないなら、休む日。技の名前は、組織が戻ってからで間に合う。間に合わなかった週がある。ノートに「筋肉痛」と書いて、実際は腱だった。羞恥より先に、イライラがあった。自分の判断が甘かったことへの。
今は、切れる感じがしたらその場で降りる。周りがまだやっている。一人だけ地面にいる。それでも、翌日シャツが着られたときの安堵のほうが、長い。